太陽光発電所投資の基礎

太陽光発電所関連の詐欺事例について

FIT制度が導入されたことにより、数多くの人が投資目的で太陽光発電投資を開始しています。

ただ、その中で悪質業者に出会ってしまうリスクも残念ながらゼロではありません!

太陽光発電に関する詐欺やトラブルのニュースを見ると、せっかく投資対象として興味を持っていても

「騙されたら怖い…」

「トラブルに巻き込まれたらどうしよう」

と二の足をふんでしまう方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

でもそんなのもったいないですよ!

相手(悪徳業者)の手口を把握し、対策を取っていればトラブルは防ぐことができます!

今回は太陽光発電投資にまつわる詐欺の手口とその実例、および対策方法についてご紹介します!

 

太陽光発電詐欺への対策

実例を先に挙げるとモチベーション下がる可能性がありますので(笑)、対策を先にまとめておこうと思います!

(初心者向けの対策なので、ベテランの方はまた異なる対策が出来るかもしれません!)

ポイント

①発電所引渡し前に資金が必要となる案件(手付金や中間金)は避ける。

②ファンド等を通じての間接的な投資は避ける。

③インターネットにて、「販売業者名+詐欺or悪」などで検索する。

④(可能であれば)太陽光発電所事業を営んでいる知人に紹介してもらう。

発電所引渡し前に資金が必要となる案件(手付金や中間金)は避ける。

手付金や中間金を要求する施工業者の場合、資金繰りの観点から少しでも借り入れを減らすために要求してくる会社さんも少なからずいるようです。

資金繰りの観点ということは、もしかすると既に自転車操業の可能性が無きにしも非ず!ということで、避けられるのであれば避けましょう。

自身の資金効率という面でも、資金を寝かせて置くことになってしまうので、基本的には避けた方がいいかもしれません!

②ファンド等を通じての間接的な投資は避ける。

ファンドとは運用の専門家が自分の代わりに運用を行ってくれる金融商品です!

そもそも、ファンドを通じての投資では減価償却メリットも消費税還付も受けられず、借入金によるレバレッジ効果もありません。

また、運用者が能力ある人物なのか、本当に物件を購入しているのか等チェックポイントが多くなり、心配事が逆に増えてしまいます!

(どうしても少額で始めたいということであれば、上場インフラ投資法人であれば、運用者は大手が多く比較的安心かもしれません)

③インターネットにて、「販売業者名+詐欺or悪」などで検索する。

これは、日々のネットサーフィンでの知恵的なことで恐縮ですが、「販売業者名+詐欺or悪」と検索してみると意外にヒットしたりします。

特に「販売業者名+悪」は結構幅広くヒットしてくれるので、便利です!

例えば、詐欺はしていないまでも、近隣住民ともめている、施工不良で訴えられている等何らかのトラブルに関与していることもありますので、必ず検索してみましょう!

④(可能であれば)太陽光発電所事業を営んでいる知人に紹介してもらう。

これは全員が出来ることではないのですが、可能であれば、既に太陽光発電所を所有している知り合いに販売業者さんを紹介してもらうのも一つです。

とりあえず、現時点で問題無い業者さんであれば、ある程度安心して購入検討が出来ると思います!

太陽光発電詐欺の手口例

それではさっそく詐欺の具体的な手口を、実例を交えてご紹介します!

工事を行わない、契約後に計画倒産する詐欺

事業者が太陽光発電設備システムの設置費用を支払った後、業者が計画倒産して行方をくらますという詐欺です。

業者は最初から工事をするつもりはなく、お金を騙し取る悪意を持って契約を行うため、本当に悪質です。

しかも、業者に騙す意図があったことを立証することは困難で、支払ったお金を取り戻せないまま、泣き寝入りせざるを得ない人も少なくありません。

低圧発電所での事例が上手く見つけられませんでしたので、住宅用パネルでの事例です!

(記事引用:千葉日報)

逮捕容疑は昨年7月18日~今年5月20日、富津市の会社員男性(57)ら同市と木更津市の男女5人を「電気代が安くなることはもちろん余剰電力を売ることもできる」「オール電化の設置料金は無料でサービス」などとだまし、5人から太陽光発電装置の設置工事代金名目で現金計約1250万円をだまし取った疑い。

同課によると、男は「最初からだますつもりで金を受け取った訳でない」と容疑を否認している。男は2010年8月の同社設立から、約100件(約2億1400万円相当)の契約を県内の顧客と結んだが、完全に施工が終わったのは35件(約1億500万円相当)で、残りは部分施工だったりまったく工事をしていない状態だという。同課は被害の全体像を調べている。

架空の太陽光発電ファンドに投資させる詐欺

架空の太陽光発電所への出資を募り、被害者から出資金を騙し取るパターンです!

もちろん出資しても配当金はもらえず、出資金も戻ってきません・・・。

(国民生活センターより引用)

母が相手方代理店の役員 A から勧められたこともあり、相手方代理店を募集代理店として、相手方ファンドへ平成 24 年 5 月に 400 万円、同年 12 月に 100 万円の計 500 万円を出資した(以下「本件契約」という。)。

本件契約の勧誘に際し、A は母に「絶対に元本割れしない」「配当金も年利 8%から下がることはない」などと述べた。

(中略)

平成 27 年 11 月下旬、相手方代理店から「相手方ファンドと関係がなくなったので、本件契約には一切関与しない」旨の通知が届いた。

相手方ファンドから、下がった配当金利率以上の配当金を支払えないと言われて以降、年利 1.6%分の配当金すら支払われていない。

平成 28 年 1 月、相手方ファンドと相手方代理店に、配当金不払いを理由として本件契約の取り消しを通知し、出資金の返還を求めた。

相手方ファンドからは、返還を拒否し、未払いとなっている 2 カ月分の配当金も支払わない旨の回答があった。

相手方代理店からは、本件契約とは無関係である旨の回答があった。

(引用記事)

太陽光発電に関するファンドへの出資を無登録で募ったとして、大阪府警捜査4課は5日、発電事業会社、日本再生トラスト合同会社(東京・港)の代表、新田靖浩容疑者(49)や元社員ら6人を金融商品取引法違反(無登録営業)の疑いで逮捕した。

逮捕容疑は2013年9月から11月、金融商品の取引に必要な登録を受けないまま、ファンドへの出資を勧誘した疑い。

同課によると、新田容疑者は「登録が必要と知らなかった」などと容疑を否認している。

③(参考)施工業者が金融機関に対して詐欺を行い破綻するケース

参考ですが、自身の工事が順調に進んでいたとしても、施工業者さんが破綻してしまっては工事が止まってしまい、要らぬ心配事が増えてしまいます。

こちらは金融機関への詐欺で社長等が逮捕されてしまったケースです。これでは工事が停止してしまい、最悪のケースそのまま工事が再開しないことも想定されてしまいます。。

(東京新聞より引用)

太陽光発電関連会社「テクノシステム」(横浜市西区)が金融機関から融資名目で多額の資金を詐取したとされる事件で、東京地検特捜部は16日、信用組合から約10億5000万円をだまし取ったなどとして、詐欺と会社法違反(特別背任)の疑いで社長の生田尚之容疑者(47)を再逮捕した。詐取したとされる額は計約22億円となった。

関係者によると否認している。

【関連記事】社長は「詐欺などしていない」と周囲に語る

 再逮捕容疑では2020年6月、発電設備への融資名目で虚偽の書類を出すなどし、大阪府の信組から約10億5000万円を詐取。18~19年には、自社の資金計3億9400万円を海外のカジノで負った自身の借金返済に充て、会社に損害を与えたとされる。

特捜部は16日、徳島県の地方銀行と静岡県の信用金庫から20年7月、それぞれ約7億5000万円と約4億1500万円をだまし取ったとして生田容疑者を起訴。

地方銀行の事件については、ともに逮捕された専務の小林広(66)、元専務執行役員の近藤克朋(53)の両容疑者も起訴した。

ちなみに・・・

私の友人は手付金や中間金も払わずに契約していたものの、施工途中で業者さんが破綻した際に、施工業者さんが支払うはずであった部材の代金等を、代わりに請求されて裁判までもつれ込んでしまったケースもあった様です。

(通常購入契約書では、工事が完成しなければ信販会社の融資は実行されないため、購入者の購入義務は免除される条項が入っていることが一般的で、このケースでも入っていましたが、部材の販売業者さんから取り立てにあい、裁判となった様です。これは不運としか言いようがないですね。。)

詐欺にあってしまった時の対処法

どんなに注意をしていても、詐欺にあってしまう場合もあります。

そんな時の対策は次の通りです。「あれ?もしかして詐欺かも!?」と思い当たるふしがあったら、一刻も早く対策をとるべきです!

・クーリングオフ

見積に偽りがあったり、強引に契約させられたりした場合はクーリングオフがおすすめです。

8日以内であれば自分で見積もり依頼して契約した場合でもクーリングオフ可能です。

8日を過ぎても条件によってクーリングオフが可能な場合もあるので、ひとりで悩まずに専門家に相談することをお勧めします!

・契約の取り消し

「必ず儲かる」など嘘をついて契約を結ぶ場合不実告知と言います。

消費者契約法に基づき、契約を取り消すことができます。

ただし消費者契約法が適用されるのは「消費者」であり「事業者」ではないため、条件によっては契約取引が難しい場合もあります。

・専門家へ相談

クーリングオフが上手くできない、自力で契約の取り消しができない場合は、専門家に相談した方がスムーズです。

結果的にお金が返ってくる可能性が上がります!

まとめ

太陽光発電所関連の詐欺被害についてご紹介しました。

こうしてみると、発電所の購入と工事にかかわる詐欺ばかりです。

太陽光発電投資を成功させるための最初の一歩は信頼できる業者探しといっても過言ではないかもしれません。

FITマンの記事を読んで、対策を身につけて頂いて、楽しい太陽光ライフにしていただければと思います!!

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