今回は太陽光パネルとパワーコンディショナ(パワコン)にターゲットを絞って、
製品の種類と、国内外での実績あるメーカーをご紹介します!
施工業者さんに希望を聞かれたり、「こちらのメーカーに変更していいですか?」
とか聞かれることがありますが、何の前情報もないまま製品を選ぶのは難しいですよね!
FITマンも悩みました・・・。
「パネル、パワコン」の各社の違いが知りたい方におススメです!
太陽光パネルの種類と性能
太陽光パネルには材料によって種類が分けられます。
大きく分けて「シリコン系」と「非シリコン系」です!
シリコン系がもっとも発電効率に優れていて、市場にも大きく出回っています。
非シリコン系にはさらに「化合物系」と「有機系」の2種類に分かれますが一般的ではないので、
今回はシリコン系に焦点をしぼってご説明します!
シリコン系太陽光パネルはさらに
- 「単結晶シリコン」型
- 「多結晶シリコン」型
- 「アモルファスシリコン」型
- 「HIT」型
に分かれます。
「単結晶シリコン」
「単結晶シリコン」はこの4つのうち最も変換効率が高いパネルです!!
その分性能コストが高く、パネル温度の上昇に弱いというデメリットもありますが。。
外観が黒いパネルが「単結晶シリコン」型ですよ!
「多結晶シリコン」
次に一般的なのは「多結晶シリコン」型です。
これは単結晶型のパネルを作る時に発生した切れ端のシリコンなどを集めて作ったパネルです!
単結晶よりは発電効率が悪いものの、単結晶より作りやすいためコストが安いというメリットがあります!
外観が青いパネルが「多結晶シリコン」型です!!
「その他シリコン」(お急ぎの方は飛ばして下さい~)
「アモルファスシリコン」型は、結晶系のパネルと違って、規則正しい結晶構造がありません。
光を多く吸収できるためパネルが結晶系よりも薄いのが特徴です。
軽量で加工しやすいので、フィルムのようにガラスなどに貼り付けて発電できるユニークさを持っています。
残念ながら、結晶系と比べて発電効率が悪いため、投資向けとは言えません。
また、「HIT」型はヘテロ接合型の太陽パネルです。
異なる(ヘテロ)特性を持つ材料を接合したシリコン系太陽電池です。
発電効率が高く、パネルが高温になっても発電効率が落ちにくいだけではなく、
薄型構造に出来るため両面受光(パネルの両面で光を受けて発電できる)にも対応しています!
一方で、HIT型パネルは製造工程が煩雑なためコストが高く、
コストパフォーマンスという面では結晶系に分があります!
HIT型パネルは三洋電機が開発し、パナソニックがその技術を受け継いで製造・販売を行っていましたが、
2021年2月にHITの生産から撤退しています。そのため、HITパネルは在庫限りとなります。。
太陽光パネルを選ぶときには、kW単価で比較することが一般的です!
kW単価というのは、太陽光パネル1kWあたりの価格です。
システムに導入するパネル費用を容量[kW]で割って求めます。
例えば10kWで250万円の場合、kW単価は25万円です!
25kWで400万円の場合、kW単価は16万円になります。
この場合、後者の方がよりkW単価が低く、コスパが良いことになります。
太陽光パネルメーカーの紹介
国内パネルメーカー
まずは国内の太陽光パネルメーカーをご紹介します!
なお製品情報は2022年2月時点のものになります!
変換効率や価格相場は、個々の製品や販売店などによってばらつきがあるため、目安としてご参照ください!
また、国内メーカーとしては大手のパナソニック、ソーラーフロンティアは
2021年にパネル生産から撤退しているため、割愛しています!
メーカー名 | パネル開発・製造 | 特徴・傾向 | 製品 |
シャープ | 1959年~ | 古くから太陽光パネルを開発。実績豊富。独自の発電量モニタリングサービスも実施。 | ・変換効率19%以上・パネル価格の相場23~30万円/kW |
京セラ | 1984年~ | 複雑な屋根形状にフィットするパネルを取り扱う。災害時補償あり。 | ・変換効率17%程度・パネル価格の相場30~35万円/kW |
ネクストエナジー | 2003年~ | 経済損失保証、パネル出力保証あり。 | ・変換効率20%・パネル価格の相場21~23万円/kW |
東芝 | 2010年~ | 海外メーカーからOEM※供給された太陽光パネルを製造 | ・発電効率20%・パネル価格の相場26.5万円/kW |
長州産業 | 2011年~ | 国内唯一の単結晶シリコン系パネルを自社で全行程生産する。 | ・変換効率19.5%・パネル価格の相場23~29万円/kW |
エクソル(XSOL) | 2011年~ | 2019年頃からシェア拡大。勢いがあるメーカー。 | ・変換効率20%・パネル価格の相場24~27万円/kW |
※OEMとは「Original Equipment Manufacturing」の略で、他社ブランドの製品を製造することを意味しています。東芝の場合は、アメリカのサンパワー社と提携しています。
海外パネルメーカー
次に海外の太陽光パネルメーカーをご紹介します!
海外メーカーは情報が得にくかったり、故障時には倒産や撤退している
可能性もありますが、現在は日本での主流は海外パネルになりつつあります!!
海外メーカーは価格が安いことと、国産パネルメーカーに比べて保証期間が長めなことが特徴です!
メーカー名 | パネル開発・製造 | 特徴・傾向 | 製品 |
カナディアンソーラー(カナダ・中国) | 2001年~ | 生産拠点は中国に多く、実質的には中国製品。低価格な製品が多い。 | ・変換効率20%・パネル価格の相場23~26万円/kW |
JINKOソーラー(中国) | 2006年~ | 多結晶系の発電効率の良さが特徴。世界各地に販売拠点を持ち、パネルの供給量世界でトップクラス。 | ・変換効率21.5%・パネル価格の相場21万円(※製品情報が少なく、古めの書き込み情報を参照しています。価格データの信頼性は低めです) |
Qセルズ(韓国) | 2012年~ | ドイツのQセルズを韓国のハンファグループが買収し設立。価格の安さ・保証の手厚さが特徴。 | ・変換効率20%・パネル価格の相場23~28万円/kW |
パワーコンディショナの種類と性能
パワコンは、太陽光パネルで作った直流電気を交流電気に変換する役割を持つ機器です!
パワコンは機器によって特徴が異なるため導入前によく検討する必要があります。
電気的な特徴として「変換効率」「最大定格出力」「回路数」「単相/三相」「絶縁方式」
「MPPT機能」「自立運転機能」などの項目があります。
また設置地点に合わせて、サイズや運転音の大きさも重要ですし、
購入時には価格やメーカー保証の有無も気になりますよね!
また、パワコンの「変換効率」とは、直流電気を交流電気に変換する際に生じる損失を表しています。
変換効率が高いほど損失が少なく、多く売電できます!
現在のパワコンの変換効率は95~97%程度が一般的です!!
パワコンの設置方法~「集中型」と「分散型」~
また、パワコンの設置方法には「集中型(単一型)」と「分散型(マルチストリング型)」の2種類が挙げられます。
前者は大型のパワコンを少数設置し、
後者は小型のパワコンを複数設置する方法です!
集中型
集中型は1台あたりのパワコン容量が大きいためkWあたりの機器コストが抑えられたり、
設置やメンテナンスにかける時間を削減できたりするメリットがある反面、
故障時の発電損失が大きいというデメリットがあります!
分散型
分散型は小型パワコンを組み合わせるため、傾斜の大きいような設置困難な場所でも柔軟に設置できたり、
故障時の損失を最小に抑えたりできるメリットがあります!(リスクヘッジですね!)
一方で台数が増える分、設置やメンテナンスの工数が増えることや、
1kWあたりの機器コストが高くつくデメリットがあります。
いずれの方法をとるかによって、導入するパワコンも変わってきます!
太陽光発電投資では、初期投資費面で有利な集中型パワコンの採用が主流です。
事業用太陽光発電所(設備容量10kW以上)の場合は、特に「三相」タイプがよく選択されています。
このように購入時には、パワコンに求める性能に合わせて、特徴をひとつひとつチェックすることが欠かせなかったりします!
(ストリング構成については、以下の記事をご参考に!)
有名なパワコンメーカーの紹介
最近では中国のファーウェイ(Huwaei)社のパワコンが世界的に市場を席巻しています!!
特に分散型パワコンのマーケットでは全体の半数近くのシェアを占めており、日本市場でもこの傾向は同じです!
これまではパワコンは品質の良い国内製を選択することが多い傾向にありましたが、
国内の主なパワコンメーカーである田淵電機、オムロン、安川電機などを抑えてトップシェアをあげています!
その理由は
- 変換効率の高さ
- 制御サポート機能の充実
- IV診断機能による発電量監視機能の搭載
- 火災防止機能など不具合に対して強い
等の点が評価されているようです!!
ちなみに、点検業者さんから聞いた話ですが、Huaweiのパワコンは故障した時に丸ごと取替えになるケースが多いと聞きました。国内生産のパネルの場合、メーカーが修理してくれるのですが、この順番待ちが大変だと・・・。
点検業者さんより
(全てのケースに当てはまる訳ではありませんのでご注意を!)
注意点
パワコンはメーカーや製品機能によって、保証期間(有償による延長期間含む)や
対応可能な過積載率なども異なるので、購入を検討するときには事前に確認しましょう!
また、パワコンを選ぶときには、パネルとの相性も重要です!
パワコンと太陽光パネルによって変換効率が変わります!!
実際に購入する場合には、パワコンとパネルの最適な組み合わせをメーカーや業者に確認することもお勧めします!
まとめ
太陽光パネルとパワコンの種類やメーカーを紹介しました。
システム導入時は、金額面だけではなく製品性能や耐用年数(寿命)などを含めて総合的に判断することが重要です!
キャッシュフローを考えて長い目で製品を選ぶことで、太陽光発電投資の安定した収益化につながりますよー!
(おまけ)メーカーへのリンク
・シャープ
・京セラ
・ネクストエナジー
・東芝
・長州産業
・エクソル
・カナディアンソーラー
・Qセルズ
・田淵電機
・オムロン
・安川電機
・SMA
・ジンコソーラー
(サーバーダウンしているのかつながりませんでした)
・ファーウェイ